ちゃみのブログ@二人目妊活中

出産準備とか子育てとかたまに趣味のこととかにゆる~く奔走する。

橋本病と妊娠

 こんにちは、ちゃみです。

 皆さん、『橋本病』って聞いたことはあるでしょうか?

 喉ぼとけの下にある甲状腺というところに慢性の炎症が起きている病気で、慢性甲状腺炎とも呼ばれ、自己免疫疾患の一つです。疾患男女比は圧倒的に女性が多く、1対20とも30とも言われています。

 甲状腺は、甲状腺ホルモンを作り出し、その甲状腺ホルモンは、妊娠の維持、子どもの成長にも重要なホルモンです。その甲状腺に炎症が起き、症状が進んでしまうと甲状腺機能が低下し、不妊や流産、早産の原因となります。

 二十代半ばで、『橋本病』と診断されたわたしの体験談を今日は語りたいと思います。

 

橋本病とは

 上記の通り、自己免疫疾患の一つです。

 細菌やウイルスが体の中に入ってきたら、リンパ球などの免疫細胞がこれらをやっつけてくれます。このリンパ球は本来自分自身を攻撃することはないですが、誤作動を起こして、甲状腺機能を攻撃してしまう→甲状腺に炎症が起きる。

 この炎症が起きた状態が橋本病(慢性甲状腺炎)です。

橋本病と診断されるまで

健康診断で「首の腫れが気になる」と言われた

 わたしは、小さい頃から首が腫れているというか、脂肪がついているというか、とにかく見た目からして首元だけがふっくらしていました(自称・標準体型)

 風邪を引いて内科に行くと、必ず先生がわたしの喉元を触診しながら「首が腫れているね」と言い、そのたびに「生まれつきです笑」と軽く返していました。細いスラッとした首筋に憧れたものです。

 そんなわたしが、社会人になって三年目のとき。会社の健康診断で「首元の腫れが気になる。一度、甲状腺を詳しく調べてもらった方が良い」と言われました。実は前の年も同じようなことを言われていたんですが、病院に行くのが面倒で……

 仕事に慣れた三年目。少し心に余裕が出来たわたしは、父がその数年前に甲状腺疾患『バセドウ病』を患ったこともあって、もしかしたら遺伝的に甲状腺の病気になりやすいのかも、と突然怖くなったのです。

甲状腺専門の外来へ

 父が通っていた甲状腺の専門病院は、その近辺の県内外で有名だったらしく、電車を乗り継いで一時間半ほどかかりますが、わたしもそこへ行くことに。

 予約をしていったものの、県外からも患者が来るということで、めちゃくちゃ待つ。ひたすら待ちます。

 検査は、採血とエコーだったのですが、採血はたくさん血が取られました。試験管?みたいな細長い筒に三本分。そして結果が出るまでに最低二時間くらいは待たなければならず。それを待つ間、甲状腺のエコーを撮るのですが、その時点で「ああー、うん。ここねぇ」と、納得した感じで、エコーを撮る看護師さんが頷くので、恐らく何か問題があったのだろう察してしまうわたし。

 朝一番に病院にいったのですが、ようやく医師の診察室に呼ばれたのは昼前(ぐったり)

 先生はわたしの首元を見て一言。

 

「あっ、(甲状腺が)大きいですねっ!」

 

 先生。そんな、釣り上げた魚が大きかったみたいな言い方で!笑

 甲状腺は、喉ぼとけの下についている器官(蝶々が羽を広げてたような形をしている)なので、炎症が起きると首も腫れて見えるそうです。わたしの場合、病気云々以前に、元々甲状腺が大きいこともあって、余計に腫れぼったく見えているのかもしれない、ともおっしゃっていました。

そして下される診断

 特に前置きもなく先生からは、「橋本病です」とサラリ~と告げられました。

 それがどういった病気なのか分からず、リアクションに困るわたし。

 採血の結果を見せてもらいました。

FT3 2.90 (基準値 1.9-3.8)

FT4 1.09 (基準値 0.76-1.63)

TSH 2.487 (基準値 0.38-4.31)

TgAb 40.67(基準値 ≦13.6)

 

 先生、全然分かりません。

 とりあえず、最後のTgAbというのが、基準値を大幅に超えているんだなということだけを理解しました。

橋本病と診断されて、すぐさま何か問題が起こるわけではない

 橋本病とは、いわゆる甲状腺に炎症が起きている状態のことを言います。

 FT3,FT4とは、血液中の甲状腺ホルモンを指し、TSHとは甲状腺刺激ホルモンを指します。TSHが甲状腺を刺激、調節して、FT3やFT4といった甲状腺ホルモンを分泌させているんですね。

 血液検査の結果によると、これらのホルモン濃度は基準範囲内であり、甲状腺機能は正常ということになります。

 しかし、注目すべきは、TgAb。これは抗サイログロブリン抗体と呼ばれ、抗甲状腺抗体、平たく言えば、自分の細胞に対して抗体を作って自分を攻撃してしまうものです。これが高いので、わたしは『橋本病』である、と診断されたワケです。

一年に一回、血液検査を受けることに

 わたしは、橋本病であるものの、甲状腺機能に異常がないため、特に投薬や治療は必要ないとのこと。ただ、ホルモンの数値に異常が出れば、『甲状腺機能低下症』へと悪化してしまう可能性があるため、一年に一度、血液検査を受けにきてくださいと言われました。

 その後、数年間、年に一度通いましたが、血液検査に大きな変化はなく過ごしました。

妊娠をしたら気を付けるべきこと

妊娠したら必要なホルモン量が変わる

 橋本病と診断されたとき、先生からは「妊娠を考え始めたり、妊娠したら、必ず診察に来てください」と言われていました。

 ご懐妊を告げられて浮かれていたわたしは、ふと、その言葉を思い出しました。

 が! わたしは妊娠発覚時、結婚して遠い遠い地に引っ越してきていたのです。

 妊娠すると、それまでのホルモンバランスが崩れる人もいます。また、ホルモンの必要量が変わってきます。なので、妊娠前より、細かく数値を管理する必要があるようなのです。
 しかし、ここは田舎……通っていたあの病院はない。

 とりあえず、年に一度受けていたときの血液検査の結果を持って、産婦人科の先生に相談しました。すると、一回目の妊婦検診で行う血液検査で、甲状腺ホルモンも一緒に検査出来る、という回答が返ってきました。

 結果が分かるのは一週間後。ドキドキの一週間を過ごしましたが、結果はこれまでと変わらず。基準値内でした。良かった!

 妊娠中はTSH(甲状腺刺激ホルモン)をより厳密に管理する必要があり、国際ガイドラインでは2.5μlU/mL以上にならないように調整する必要があるとなっています。ちなみにわたしは1.96でした。

 FT3,FT4(甲状腺ホルモン)が足りなくなると、刺激ホルモンであるTSHの数値が高くなるため、この基準が設けられているのだろうと、わたしは解釈しています。

甲状腺機能低下症』になってしまったら

 しかし、妊娠初期に異常がなくても、時間の経過とともに炎症が進み、甲状腺機能に異常が出てくる場合があります。

 結果、甲状腺機能が低下しホルモンが不足すると、『甲状腺機能低下症』と診断されます。

 わたしも産婦人科の先生に「今は大丈夫でもこの先また変わるかもしれないから、後期にもう一度くらい検査をした方が良い」と告げられています。

 ならば、甲状腺機能低下症になってしまったら、どうなるのでしょう。

 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足してしまう病気です。

 皮膚の乾燥、寒がり、太りやすくなる、むくむ、眠気、やる気がなるなる、便秘など症状が出るのそうですが、うーんどれもこれも、よくありそうな……

 ただ、先生曰く治療は簡単。不足したホルモンを補う薬を飲めば良いだけとのこと。チラーヂンと呼ばれるお薬が処方されますが、本来体の中あるホルモンをそのまま補う薬なので、妊娠中、授乳中の服用も問題がありません。

 病名を聞いて驚く人も多いけれど、きちんと薬を飲めば怖い病気ではないとおっしゃっていました。

気を付けること

 ・産後半年くらいまではホルモンバランスが崩れやすいので、定期的な検診をすること。

・昆布やひじき、もずくなどの海藻類や、うがい薬のイソジンに含まれる『ヨード』という成分は、過剰摂取すると甲状腺ホルモンが作られなくなるため、控えた方が良いとされています。

 ただ、継続的に大量に摂取しなければ気にしすぎる必要もないようなので、積極的に摂取することを避ける程度で、普段通りの生活を続けています。

赤ちゃんへの影響は?

 赤ちゃんへの影響が一番気になるところ。

 橋本病(慢性甲状腺炎)が赤ちゃんの知能や発達に影響することはありません、と先生に言われました。

 また、甲状腺機能低下症の治療薬が赤ちゃんに影響を与えることもありません。

 逆に放置して、甲状腺ホルモンが不足してしまうと、一般の妊婦さんより流産率が高くなってしまいます。

まとめ

橋本病は、不妊や早産・流産の原因にはならない

 慢性的に甲状腺に炎症が起きているだけで、甲状腺機能が正常であれば、直接的な不妊や早産流産の原因にはなりません。自覚症状がないため、妊娠して初めて、橋本病と診断される女性も少なくないようです。

妊娠が分かったら必ず先生に橋本病であることを告げ、早めに検査してもらう

 妊娠したらホルモンバランスが崩れ、また妊娠前より厳密なホルモン数値の管理が必要になるため、それまで問題がなかったとしても、早めに検査してもらいましょう。

 ネットで検索すると、妊娠5週目、10週目、15週目、30週目を目安に検査をした方がよいと書いてあったのですが、わたしは11週頃に一度血液検査をしたきりです。妊娠初期に特に甲状腺ホルモンは重要になってくるので、本当はもっと早くに、ホルモン値の検査をしておけばよかったかな、と若干の後悔があります。が、産婦人科の先生から、検査時期について特に言及されていないし、橋本病ではあるものの、甲状腺機能が正常で、妊婦検診の経過にも特段異常がないため、あとは妊娠後期に一回やればよいだろうと、気にしないようにしています。

甲状腺機能低下症は薬で治療できる

 甲状腺の炎症が進行し、甲状腺機能低下症と診断されてしまったら、チラーヂンという薬が処方されます。甲状腺ホルモンを補充する薬です。多くの橋本病、甲状腺機能低下症の患者さんが飲んでいるもので、足りないものを補っているだけなので、医師の指示に従って飲めば大丈夫!

 と、あの不愛想な産婦人科の先生が、珍しく力強く語っていました。

 独身時代に通っていた、有名な甲状腺専門病院の先生も、全く同じことを言っていたので、この先何かあってもその言葉を信頼して治療しようと思っています。

 

  特に赤ちゃんの神経が作られる妊娠初期に、お母さんの甲状腺ホルモンの数値は重要になってくるので、もし橋本病で年に一度経過観察されている方は、妊娠を考え始めた頃に一度、かかりつけの医師に相談することをおすすめします。

 自分と赤ちゃんに、大丈夫だと言い聞かせながらも、やっぱり心配は完全に拭い切れません。

 しかし現在妊娠七か月に入った現在。エコーで診断してもらった限りでは、脳や背骨、内臓の発達に異常はなく、むしろ、赤ちゃんが大きめなのでお母さんは甘いものを控えてね、と言われるくらい、元気に育ってくれているので、胸をなでおろしつつ、糖分制限とウォーキングにいそしんでところです。

 気にしすぎないのが一番!前向きにいきましょう。

 

ちゃんちゃん。